「24歳で音楽が決まり、30歳で探さなくなる」という話
最近ネットでよく見かける話に、「人は24歳ごろで音楽の好みが固まり、30歳を過ぎると新しい音楽を探さなくなる」という説があります。
SNSや雑学記事、YouTubeなどでもよく紹介されており、
「確かに最近の曲を聴かなくなった」と共感する人も多い話です。
では、この説は本当に科学的に正しいのでしょうか。
結論から言うと、完全な定説ではありませんが、心理学やデータ分析をもとに広まった有名な説です。
この説が広まったきっかけ
この話が有名になった理由のひとつは、音楽配信サービスのユーザーデータ分析です。海外の音楽ストリーミングサービスが利用傾向を調べたところ、
年齢とともに新しい音楽を探す量が減る傾向が見られました。
特に話題になったのは、音楽配信サービスの利用統計で、
30歳前後を境に新しい曲を探す頻度が大きく下がるという結果です。
この結果がニュースやネット記事で紹介され、
「24歳で好みが固まる」「30歳で新しい音楽を聴かなくなる」という形で広まりました。
心理学にある「回想のピーク」という現象
この説には、心理学の研究も関係しています。人は人生の中で、特定の時期の記憶を特に強く覚えていることが知られています。
これを心理学では「回想のピーク」と呼びます。
多くの人にとってそのピークは、
10代後半から20代前半に集中します。
この時期は、
・恋愛
・進学
・就職
・友人関係
・将来への不安
など、感情が大きく動く出来事が多い時期です。
そのため、この頃に聴いていた音楽は、思い出と強く結びつきやすく、
大人になってからも特別に感じやすいと言われています。
なぜ30歳くらいで新しい音楽を探さなくなるのか
忙しくなり、音楽に使う時間が減る
30歳前後になると、生活が大きく変わります。・仕事が忙しくなる
・家庭を持つ人が増える
・自由な時間が減る
若いころのように、
新しいアーティストを探したり、アルバムをじっくり聴いたりする時間が少なくなります。
その結果、知っている曲ばかり聴くようになります。
人は年齢とともに保守的になる
人間は年齢とともに、変化よりも安心感を求める傾向が強くなります。・慣れているものを選ぶ
・失敗したくない
・新しいことにエネルギーを使いたくない
この心理は音楽にも表れます。
知らない曲を探すより、
昔好きだった曲を聴いた方が楽で心地よいと感じるようになります。
音楽の役割が変わる
若い頃は音楽がとても大きな意味を持っています。・自分を表現するもの
・仲間との共通の話題
・感情を共有する手段
しかし年齢を重ねると、音楽は次第に
・作業用BGM
・懐かしさを感じるもの
・気分転換の道具
へと変わる人も多くなります。
この変化によって、新しい音楽を探す必要性が減っていきます。
ただし年齢は決まっているわけではない
よく言われる・24歳で好みが決まる
・30歳で新しい音楽を探さなくなる
という数字は、あくまで平均的な傾向です。
すべての人に当てはまるわけではありません。
音楽が好きな人や、普段から新しい情報に触れている人は、
40代でも50代でも新しい音楽を探し続けます。
また、音楽配信サービスが普及した現在では、
昔よりも年齢に関係なく新しい曲に出会いやすくなっています。
「最近の音楽は分からない」と感じるのは普通のこと
この説が面白いのは、多くの人が同じタイミングで同じことを言い始める点です。
・最近の曲はよく分からない
・昔の音楽のほうが良かった
・最近のアーティストを知らない
こう感じるのは、音楽が悪くなったからではなく、
人の心理や生活の変化によるものかもしれません。
つまり、
「新しい音楽を聴かなくなる年齢がある」のではなく、
「変化を求めなくなる時期がある」ということです。
まとめ
「24歳で音楽の好みが固まり、30歳で新しい音楽を探さなくなる」という話は、完全な定説ではありませんが、心理学とデータ分析をもとに広まった有名な説です。
若い頃の音楽が特別に感じるのも、
最近の曲に興味がわかなくなるのも、
多くの人に共通する自然な変化です。
もし最近の音楽を聴いていないと感じたなら、
それは音楽が変わったのではなく、自分の人生の段階が変わったのかもしれません。