賛否両論、AIによる故人の新作

話題


情報技術の発展は死者をもよみがえらせる。
そんな夢みたいな話を現実化しようという動きが広まっています。

AI美空ひばり、そしてAI手塚治虫。


2020年が始まって3か月も経っていない今日。
AI技術を使って、このビッグな2人の「新作」が作られたそうです。

美空ひばりさんは昨年「紅白に出場した」ことになりました。

AIで作られたこの新作は、果たして本物と呼べるのでしょうか。
賛否が分かれています。

残念ながら私は否定派です。
冒涜しているとまでの批判は言いません。
しかし私は、ただのモノマネかそれ以下だと思っています。



私自身は美空ひばり世代ではないのですが、母と一緒に子供のころから何度も繰り返し聞いていました。
今回の紅白出場によって、改めてAIが歌った新曲の「あれから」を聞き、「愛燦燦」「川の流れのように」などを久しぶりに聞いて比べてみました。


新曲の「あれから」を聞いて、ずいぶん現代風の歌詞になっているなと思いました。
例えば「どこかに大事な何かを」「地平線は変わらない」「愛しい人よ」「星がきらめいて」「心がただ震えています」
こんな歌詞、今のJ-POPでは腐るほど使い回されている歌詞です。


美空ひばりは歌声や歌い方、声の震わせ方や声の伸びなどの歌い方の技術の他に、当時のあの時代にしか書けない歌詞があります。

あの独特の言い回し。
唯一無二のありふれていない歌詞。
今の時代の歌詞を分析してしまったAIには、絶対に書くことができない歌詞と言えると思います。



オリジナルとして、作詞作曲したり漫画を描くAIを作るのは良いと思います。
しかし、それを故人の新作だと言って出すのは違和感があります。


故人を愛したファンが、彼らがもし生きていたらと想像して新作を書いた方がまだマシなものが出来上がると思います。
なぜなら尊敬の心があるから。
技術的に上手なモノマネ芸人に歌わせた方が、より美空ひばりに似た曲を歌えるんじゃないかと思います。
なぜなら歌い手に感情があるから。


AIすべてを否定しているわけではありません。
単に心に響く歌を作る、面白いマンガを書く、ならAIにも充分できると思います。

しかしAIが人間になり替わるなんて不可能だと思います。
人間は生まれたときからの行動・記憶・経験・失敗・挫折・成功・体験……すべてが人格に繋がっていて、ほとんど同じ細胞で作られていて同じ家庭で同じように育ってきた一卵性双生児でさえ違う人物なのに、他者の考えを予測するなんて不可能としか言いようがありません。

「新作」として出さないで「予想曲」みたいにAIのために新しい歌のジャンルを作って欲しいなと思います。
そしたら素直に曲が聞けると思います。



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