「他人の不幸は蜜の味」が起きる心理

心理

他人の不幸は蜜の味

クラスメイトの成績が落ちたとき、ママ友が不倫トラブルで離婚したとき、芸能人が交通違反で逮捕された時、同僚がミスをして叱られている時、チームメイトがレギュラーから外された時……。
人は他人の不幸を見て「ざまあみろ」と思うことがあります。
ざまあみろとまではいかなくても、「自分にチャンスが回ってくる」などとプラスに考えることがあります。




シャーデンフロイデ

他者の不幸に対してプラスの感情が湧くことは誰もが経験していることであり、科学的にも証明されていることです。
専門用語だと『シャーデンフロイデ』といいます。

シャーデンフロイデは、対象の不幸が死を連想させるものなどの深刻なものには生じません。
そこまで鬼ではありません。
また自分とは遠すぎる存在、人間ではない動物だとか、どこかの国の王様だとかにも生じません。

相手が自分と近い存在の場合に顕著に現れます。
性別が同じ、成績や地位が似ているなど立場が近いほど現れます。




男女差

どうやら男女では内容に少し差があるようです。
女性の場合、同性への妬みからくるもので、少しでも幸せをちらつかせているとそこから引きずり下ろしたいという感情が働きます。
自慢話ばかりしたり、SNSで幸福アピールをしていると疎まれることがあります。
男性の場合は、不正を働いているなどの本人の行動を責める傾向にあります。
ヒーローのような勧善懲悪を望んでいるのかもしれません。




「自分は他人の不幸を喜ばない」は、はたして本当なのか?

ある聞き取り調査では、「どんな人に対しても不幸があれば気の毒に感じる」と答える人が多くいました。

“どんな人にも”なんていうことはあり得るのでしょうか?
もし自分を精神的に追い詰めた人が不幸になったら、本当に気の毒に感じるのでしょうか?
自分が不幸になる原因を作った人だったら?
自分には関係なくても、何人もの命を奪った凶悪犯だったら?

聞き取り調査の結果は、「自分が性格が悪いと認めたくない」あるいは「調査者にそう思われたくない」という見栄があったり、無意識に発生している感情に自分自身で気が付いていない場合もあって、深層心理とは違う結果になっている可能性があります。



別の実験で嬉しいときに動く頬の筋肉を測定した際には、他人の不幸を聞いて無意識に筋肉が動いてしまったという結果もあります。

以前ネットスラングで「メシウマ」という言葉が流行りました。
メシウマとは「他人の不幸で飯がうまい」を省略したもので、現実世界で面と向かっては使えない、匿名の掲示板だからこそ盛り上がった言葉です。


負の感情だという意識があるからこそ、それを隠そうという心理も働きます。




対策

誰にでもある感情だとはいえ、誰に対してもそんな感情が湧いてきてしまっては精神衛生上よくありません。

他人の不幸をなるべく感じないようにするためには、自分を高めて妬みを少なくするのが一番です。


自分と相手との関係の中で、下記の4者のうち妬みを感じる順は [2]>[3]>[1]>[4] だと言われています。

  1. 自分と程遠いほど優れている者
  2. 自分よりほんの少し優れている者
  3. 自分と同等の地位や実力の者
  4. 自分より低い位置にいる者

自分よりほんの少し優れている者を引きずりおろして、自分がその地位と入れ替わりたいという心理です。
このときに、引きずり下ろすことで地位を上げるのではなく、自分が努力してその地位に上がろうと考えることが健全な方法です。

また自分を高めて他者との差を大きく引き離すほど、周りからの妬みの対象から外れることができます。
他人の不幸に動じない人間になるよう、自分を高めることが大切です。


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