変化する童話

物語


日本昔話や世界の童話は、時代が変わるたびに内容が変化しています。
例えばシンデレラの原作では、ガラスの靴にサイズを合わせるために、義姉たちは足を切ります。
白雪姫に出てくる七人の小人は、その昔七人の殺人者として描かれていました。
アリとキリギリスも数十年前と今では話が変わっています。
昔は、怠け者のキリギリスが働き者のアリに対して餌を分けてくれと頼むが、アリは受け入れずにキリギリスは死にました。
今では、心優しいアリがキリギリスに餌を分け与え、キリギリスが反省して翌年からはよく働くようになります。

このように物語は変化し続けます。
そこで、今後コンプライアンスに厳しくなりつつある世の中とともに変化するかもしれない物語を予測してみました。



シンデレラ
1.継母、義姉にいじめられる描写は虐待だ!
児童虐待はいけませんね。ということで、父親が死んでも仲良し家族に変更します。
否、父親が死ぬ描写は要りませんよね。よし、無しにしましょう。
そもそもいじめないなら継母ではなく実母でもいいのでは?とも考えましたが、3組に1人は離婚しているともいわれるこのご時世、リアリティを追求するために継母という設定は残しておきましょう。

2.貧乏にして辻褄を合わせよう!
1で仲良し家族に設定してしまったので、ドレスや馬車は親に用意してもらえばいいことになってしまいます。
それでは魔法使いが必要なくなります。
貧乏でドレスも買えない家庭であれば魔法使いの必要性が出てくるので、家庭は貧乏ということにします。

3.12時は遅いよ!
深夜12時に帰宅は遅いです。
健全な家庭ならば、年頃の娘の門限は10時ぐらいでしょうかね。

4.貧乏人は王子様と結婚できないよね!
2で貧乏人と設定してしまった以上、王子様と結婚なんて許されなくなります。
それは困りますね。
では、2の設定を「貧乏人」から「ソースのシミでドレスを汚してしまった」にしましょうか。
それなら魔法使いが新しいドレスを作ってくれても違和感がないですね。
さて、馬車はどうしましょう。
交通渋滞で到着しなかった?
しかし交通渋滞なら結局馬車は王子様の待つお城まで到着できませんよね。
そうだ、空飛ぶ馬車に変更すればいいではありませんか。
それなら魔法がより高度なものになり一石二鳥じゃないですか。


ということで、こんな物語になります。
あるところにシンデレラという裕福な家庭の少女がいた。男手一つで育ててくれた父親は新しい母親と再婚して、優しい義姉たちに囲まれて幸せに暮らしていた。ある日お城で舞踏会が開かれるということで、娘たちは素敵なドレスを用意しました。ところがシンデレラはドレスをうっかり汚してしまいました。これでは舞踏会へいけません。悲しみで泣くシンデレラの元へ魔法使いが現れ、ドレスと空飛ぶ馬車を作ってくれました。そして舞踏会へ行き王子様に見初められて夢のようなひと時を過ごしました。しかしもうすぐ門限の10時、急いで帰ろうと階段を駆け下りました。……



今後は子供向けの物語で悪役が少なくなっていくと予想できます。
反して、大人向けの物語はどんどん過激になっていくかもしれません。
こういった童話も、子供向け童話と大人向け童話が分かれるかもしれません。


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